40代後半中高年ビジネスマンの外資転職体験記

応募ポジションに問題があり、ちぐはぐな面接に

知人の推薦で応募したが、厳しい面接を乗り越えることができず、
またもや見送りとなってしまった。この面接失敗で落ち込んでいた時、
外国人コンサルタントから新しい求人案件を紹介されたのだ。

 

 

 

ある日、港区の小さな外資系転職エージェントから連絡があった。
はじめての英語面接となった求人案件を紹介された外国人コンサルタントから、
外資系IT企業のマーケティング職を紹介されたのだ。
この会社は、日本でも実績のあるITインフラ系の企業であるが、
直前に、親会社の方針により系列のIT企業と合併したばかりであった。
この合併により企業名も変更となり、かなり社内が混乱しているようで、
人材募集の採用プロセスに関しても大きな変更があったようである。

 

 

●JDなしの状況で応募

 

通常、外資系の求人案件では、募集ポジションの詳細な業務内容と
求める人物像が記載された「JD(Job Description)」があるのだが、
合併による混乱のためか、この求人案件にはJDがなかったのである。

 

自分が希望していない職種に応募すると、悲惨な結果になることは
最初の面接で経験しているので、最初はこの求人案件は断ることを考えていた。
しかし、外国人コンサルタントが、この会社の将来性や募集ポジションについて
熱心に説明するのを聞いているうちに、これもひとつのチャレンジだと考え直し、
応募することを決断した。

 

1週間後に、転職エージェントから面接日の連絡があり、
最初の面接は人事部の採用担当者との電話面接となった。
採用担当者が日本人だったので、日本語での電話面接である。
この面接では、こちらからは職務経歴の説明や自己アピールを行い、
採用担当者から企業紹介や募集ポジションの概略について説明された。
日本語なのであまり緊張することもなく、電話面接はさらっと終了した。

 

数日後、外国人コンサルタントから、一次面接はクリアしたとの連絡があった。
次は、採用部門の日本人マネージャーとの二次面接で、この面接が採用への
キーポイントであるとのことだ。
このタイミングで、日本語のJDがメールされた。JDを読んだところ、
今回応募したポジションは、業種特化のマーケティングとして、担当する業界の
顧客動向を把握し、セールスに同行し、コンサルタントのような職務
であることが記載されていた。このような職種に応募していたとは、驚きであった。

 

私のマーケティング経歴は、全業種向けのマーケティングなので、
業種に特化した、いわゆるインダストリーマーケティングの経験は全くない。
もし、応募前に日本語JDを確認できていれば、応募しない求人案件である。
しかし、すでにこのポジションに応募し、一次面接も終了しているので、
さすがにこのタイミングでお断りする訳ことはできない。
あまり気乗りがしないまま、二次面接の準備を進めた。

 

 

●ちぐはぐな面接

 

二次面接日は、小雨模様のすっきりしない天候であった。
この面接は、採用部門のマネージャーとその部下の2人による面接だ。
職務経歴の紹介から始まり、補足資料を使って自己アピールを行った。
この補足資料は、JDの職務内容と外国人コンサルタントのアドバイスを参考に、
自分の職務経歴から、募集要件に近いものをまとめたものである。
ここまでは、極めてスムーズに進んだ。

 

こちらかの説明が終わると
 「インダストリーマーケティングの経験はありますか?」
と最初の質問がきた。

 

 「今までのマーケティング経験は、業種業界横断型なので、
  インダストリーに特化したマーケティング経験はありません」
と正直に回答した。

 

すると、
 「インダストリーマーケティングに、チャレンジするために
  応募したと考えて宜しいですか」
と確認されたので、これについては肯定するしかなかった。

 

実際は、インダストリーマーケティング職だとは知らずに
応募してしまったのであって、特にチャレンジしたい訳ではない。
しかし、面接者は、そのような背景は知らないので、
得意な業種やセールスサポート経験など、
インダストリーマーケティングに関する質問が続いたのだ。

 

約1時間の穏やかな面接であったが、双方の溝が埋まることはなく、
話がかみ合わない、ちぐはぐな面接であったのだ。

 

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数日後、外国人コンサルタントから連絡があり、
残念ながら、今回の採用は見送るとの連絡が入った。
やはり、インダストリーマーケティングの経験不足がその理由である。

 

JD(Job Description)を確認する前に、応募したことが失敗だった。
自分の強みを活かすためには、希望するマーケティング職種に
応募することが必要であると分かっていたはずなのに、
また同じ過ちをしてしまったのだ。