40代後半中高年ビジネスマンの外資転職体験記

はじまりは、会議室

ある日、マネージャーから一対一のミーティングが招集された。
ミーティング内容も知らされない、突然のミーティングであった。
今までに、このような形でのミーティングの経験はなく、
何かがありそうだと感じた。

 

 

 

ミーティングが始まるとマネージャーは開口一番、

 

 「残念ながら君のポジションは、
  ワールドワイドで“ポジションクローズ”となった。
  人事と相談して、次のポジションを探して欲しい。」

 

と言い切り、事務的な連絡を伝え、部屋を去っていった。
とうとう、私の順番が来たのか。これが転職活動の始まりであった。

 

 

 

                ◇◇◇

 

 

私は、ある外資系IT企業に勤めるアラフィフ中高年の
マーケティング担当者。新卒として米国系のIT企業に入社し、
SE(システムエンジニア)から、マーケティングへキャリアチェンジをし、
2社目となる現在の会社に転職した。

 

私は、この企業で約20年に渡り、マーケティングの担当者として、
セミナー・イベント・Webや広告キャンペーンなど、マーケティング系の
スペシャリストとして業務を担当してきた。
直近は、営業系販促チームの一員として、売上につなげるための
マーケティング活動(フィールドマーケティングと呼ばれる)を担当している。

 

この会社は、日本の外資系IT企業としては比較的規模が大きく、
デファクトスタンダードの製品を持つ有力企業である。
ここ数年、エンタープライズビジネスへ集中する傾向にあり、
大企業向けの営業部門を増強している。
残念ながら、マーケティング部門は縮小傾向(これは日本だけでなく、
世界的な方針)であるため、マーケティング関係者は活気がない。

 

外資系企業では、定年まで勤務することが難しいことは常識である。
実際、将来性のある若手を重視する傾向が強く、
50代の社員は極端に少ない。なので、定年前に退職することに
なると考えてはいたが、あまりにも突然の宣告であったのだ。

 

いつかは我が身と思っていたが、実際にポジションクローズの
対象者となって初めて、非常に厳しい現実に気づかされた。

 

 

 サイト管理人 ポジション クローズってなんだ に続く