40代後半中高年ビジネスマンの外資転職体験記

外資系が求めるスキルとは

求められるスキル

外資系企業は、どのようなスキルを評価するのでしょうか。

 

前回の「外資系に評価されるキャリアとは」に記述したように、
外資系企業はビジネス課題を解決するために、新規人材を
採用します。つまり、非常に具体的なニーズがあるので、
その課題解決ができる人材であるかをその人のキャリアから
判断します。しかし、勤務先企業固有の仕事内容や役職を
客観的に評価することは難しいです。このため、外資系企業では
汎用的なスキルを重視するのです。

 

外資系企業では、募集する企業やポジションにより、求められるキャリアが大きく異なるため、
Job Description(通常、JDと呼ばれる)という求人票に、募集企業が求めるスキルや経験が、
応募条件として記載されます。外資系企業に応募する際は、自分のキャリアが応募条件に適合し、
募集企業が求めるスキルと経験が必要となります。

 

例えば、外資系IT企業のマーケティング職に求められるスキルは、以下のようなものです。
・CRM(特に、Salesforce)やマーケティングオートメーション(Marketoなど)
・ビジネスインテリジェンスのための分析ツール(SASなど)
・Web、メール、ソーシャルメディアを組み合わせたデジタルマーケティング

 

外資系IT企業は、どの企業もデファクトスタンダード製品を業務に使用しているので、
デファクトスタンダード製品の実務経験やスキルは、高く評価されることに間違いないです。
もし、これから転職される中高年の方が、これらの売れるスキルをお持ちなのであれば、
転職活動がスムーズに進むと思います。私自身は、マーケティングとしての経験は長いですが、
上記のような売れるスキルがないため、転職活動に苦労しています。

 

●外資系企業に求められる英語力とは

 

もう一つの外資系企業が求めるスキルと言えば、「英語力」です。
最近では、日本企業でも英語力を求める企業が増えてきましたが、
外資系企業では、どのようなレベルの英語力を求めるのでしょうか。

 

外資系といっても、日本法人の社員数が500人を超えるような大企業の場合は、
上司も同僚もすべて日本人で、もちろん顧客も日本企業ということがあります。
このような外資系企業では、英語力はあまり必要とされません。
一方、社員が数十人といった小規模な外資系の場合は、上司が外国人であったり、
海外本社やAPACとの英語でのやり取りが欠かせなかったりするために、
ハイレベルの英語力が必須となります。

 

また、外資系日本法人の社長・役員クラスの方々は、高い英語力をお持ちですが、
セールスやエンジニアという職種では英語が苦手な人も少なくありません。
外資系企業に求められる英語力は、企業規模やその人のポジション次第で、
高いレベルを求められる場合もあれば、ほとんど英語を必要としないこともあります。
自分自身の英語力を客観的に評価することが重要であると思います。
ただ、外資系企業で英語ができると言い切るには、かなり高いレベルでないと、
恥ずかしいことになります。外資系には、海外滞在が長い人や帰国子女のように、
ネイティブレベルの方が必ずいますので、すぐに英語力は見破られてしまいます。

 

英語力は、外資系に評価されるスキルであることに間違いはありませんが、
たとえ英語が苦手でも、別のスキルで評価されることもあるので、
英語力だけで外資系への転職をあきらめる必要はないと思います。